こんにちは!ファーストクラストレーナーズの菊池です。
今回の「筋肉の記憶③」は私の提供する8LOOPのトレーニングメソッドの考えに近く、応用してトレーニングメニューを考えています。
体幹トレーニングやリハビリなど効率良く身体を動かしたい、筋力アップしたいとお考えの方は是非お読みください。
「左脳が右手を動かし、右脳が左手を動かしている」
聞いたことのある方は多いかと思います。
<例>右手を動かす時、左脳から「動け」の信号が出る
↓
信号は延髄の錐体(すいたい)で経路が交差して右側の脊椎に伝わる
↓
脊椎の右側の経路から右手に信号が送られる
こういった脳と筋肉の左右が入れ替わるように、人体の謎は多いです。
そんな中でも私が興味深く感じたのが「cross education(クロスエデュケーション)」でした。
起源は1894年イエール大学の心理学者E.W.scripture(博士)らによる運動の学習についての実験です。
「どちら側かの手で板の穴に棒を通す課題を繰り返し行う」
要は裁縫の糸通しのような感じです。
穴の大きさに比べて、棒の太さはやや細くなっていて穴の縁についたセンターが棒にふれるとエラーが表示されます。
最初はエラーが多く、数をこなすごとにエラーが少なくなるという「筋肉の学習能力」を発見しました。
それだけにはとどまらず、その行った手の反対側の手で同じ計測をすると、先に計測した手よりも少ないエラー数が計測結果に出たのです。
片側の筋肉の学習経験が反対側に筋肉にも教育されるクロスエデュケーションの起源です。
片側しか動かしていないのに、反対側にもトレーニング効果が得られる!
片側の学習経験は動きだけでなく、筋力にも活かされています。
<例>右腕のトレーニングを極限まですると、一般的には右腕のトレーニングに終わると感じられますが、左腕の筋力も10%強上がっていた。
この結果から、右で行ったトレーニングは左脳の神経活動が高まるという事です。左も同様にまさに見えない無限のループが脳神経活動の中で繰り広げられているわけです。
人間の身体って不思議ですよね!!
最近ではリハビリにも活かされており、片麻痺の改善治療に役立っています。
私がトレーニングを指導する上で重要視しているのは、筋出力差をいかに取り除いていくかという事。
実際左右差があるお客様は多く、外傷や痛みの発症が原因となった左右差の改善は思いのほか簡単ですが、生活動作、動きや姿勢の癖が原因となっている左右差はなかなか改善が難しいです。
そういったときに、クロスエデュケーションを上手く使ってトレーニングをすると、左右差をなくしていくことも、バランスアップすることも可能です。
<最後にその方法の1つ>
姿勢を整える際、脊椎の片側を曲げる左右差を知ることもできます。矢印方向に肘と膝を押し合えば、筋力の左右差も分かります。
その押し合いで力が出る方を10秒してみましょう!
そして苦手だった反対側で再度チェックしてみてください、最初より力が出るようになっていませんか?
ただ、この時に筋力がアップしたからといってゴールではなく、この時に神経伝達が良くなっているから、これでトレーニングをしていきましょう!ということなので「一瞬で左右差が無くなった」というわけではありません。
まだまだ隠れた力が自分には備わっていると思っていただければと思います。
しっかり自分に向き合えば、いろんな可能性が広がります。
是非、今トレーニングしている方も、これから始まる方も、身体を動かしていってください。
筋肉は学習し、記憶として保存し、反対半身への教育も行っています。
運動は3日でやめず、記憶されるまで継続していきましょう!
株式会社ファーストクラストレーナーズ